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【Sales Cloud】Sales Cloudユーザー分科会 まとめ

2025年1月28日

  • #Service Cloud
  • #Salesforce
  • #イベントレポート

本記事では、2025年1月16日(木)に実施された、Sales Cloud ユーザ分科会の内容をわかりやすくまとめています。 ユーザ分科会に参加できなかった方や、Sales Cloudの活用事例に興味がある方は必見です。

ユーザー事例紹介

Salesforce一元管理による一気通貫な営業活動と組織運営

ダイドードリンコ株式会社 氷室 佑典 氏

会社概要

国内飲料事業

  • 自販機営業本部と流通営業本部で構成
  • 両事業部ともに営業企画部が主幹となってSalesforceを使用
  • 導入背景

  • 環境変化
  • 新型コロナウイルス流行により、商談活動が変化(オンライン商談増加、テレワーク増加など)

  • 潜在的な組織課題の顕在化
  • 営業活動面:コロナによって量が封じられたので質の向上が重要視されるように

    情報共有面:テレワーク・直行直帰推進により対面コミュニケーション減少

    管理業務面:Excel主体としたアナログな管理帳票の煩雑さが顕著に

  • 従来の方法で収益を上げることの難しさ
  • コロナ前:対面での情報共有、取引先の属人化、アナログな管理帳票など

    コロナ後:情報共有のリアルタイム化、取引先の標準化・可視化、業務効率向上など
    ⇒新しい組織運営、営業活動、営業マネジメント推進が必要に

    目指す姿

    キーワード

  • 営業組織の改革
  •   標準化
      見える化
      リアルタイム
      報細分化

  • 営業効率と効果の改善
  •   脱アナログと集約化
      自動化

    課題

  • データの入力・収集場所が散在
  •   営業メンバーが煩雑さを感じ、生産性が低下(入力漏れなど)

    目標

  • Salesforce一元管理における、一気通貫な営業活動と組織運営を目指す
  •   →導入から約2年で実現

  • 「計画(売上計画、活動計画)
  •   → 実行(商談報告、数量報告、採用報告)
      → 共有(情報共有) の一気通貫」「リアルタイム」を重要視

    課題と解決策

    従来はExcelで作成した帳票・営業シートを使用
    ⇒非常に複雑

    <課題①>
    複雑な入力シート(星取表、提案シート、実績シートなど)を理想通りにSalesforceでシステム設計できるか

    <解決策>
    Mashmatrix Sheetの活用
    ⇒ SalesforceデータをExcelライクにシステム設計・運用できる一覧インターフェース

    <課題②>
    システムの入力・可視化を効率化(入力のしやすさ、自動化など)できるか

    <解決策>
    データローダーの活用
    ⇒ これまでは手入力だったが、代表者がデータローダーを使用して入力の自動化を推進し、効果・効率UP

    運用ルール

  • 営業活動業務の延長線上に自然とデータが収集されていく仕組み
  • ダッシュボードによる「計画→実行」の可視化・分析
  •   ⇒ 計画と実績のギャップをリアルタイムで可視化し改善

  • 各支店のマネージャーによる、活動・提案進捗状況を共有するMTGを毎週実施
  • Chatterを活用し、組織コミュニケーションを活性化
  •   情報の細分化と発信場所の明確化
      5つの本部グループを作成し、全員が参加することで各グループに合った発信を行う

  • 成功事例の積極的配信・関与
  •   あらゆるメンバーの関与により、情報の価値向上、発信メンバーのモチベーション向上

  • 全メンバー参加型の売り場コンテスト実施
  •   リアルタイムの全員参加型で、「いいね」で投票する形式

    推進体制・人材

    導入直後:各支店のDX推進チームメンバー
    ⇒ 各支店ミドルマネージャー・エリアマネージャーも追加

    Salesforce推進には、目的とタイミングに合わせ、役割が異なる複数の階層メンバーとコミュニケーションを図ることが重要

    まとめ

    • Mashmatrixやデータローダー等のテクノロジーを活用し、ユーザーの使いやすさと業務効率を追求したシステム設計と入力・可視化を実現
    • Chatterを有効活用し、コミュニケーション活性化を図ることで、ユーザーのデータの収集(入力)と利用を促進
    • 目的とタイミングに合わせ、役割が異なる複数の階層メンバーとコミュニケーションを図ることで、あらゆる角度から、スムーズな導入と活用定着を実現

    Q&A

  • Q1.Mashmatrixの選定理由は何か。
  • パートナー企業から勧めてもらった。

  • Q2.各支店のDXメンバーの選定基準は何か。
  • 若手中心・デジタルが得意な人を選定した。

  • Q3.古参社員の理解を得るためにどんなことをしたか。
  • 現場にいる推進メンバーから説明してもらい、それでも難しい場合はマネジメントメンバーからダッシュボードでの可視化などのアプローチを実施した。

  • Q4.Salesforceカレンダーの運用前後でどのような変化があったか。
  • 運用前はメンバーによって記載内容に差があったが、今は欲しい内容が収集できるようになった。
    活動の種別を選択してもらうことにより、どのような活動が多かったか、どのような活動が課題かなどが分かるようになった。

  • Q5.ユーザーからもらえるとありがたい意見はどのようなものがあるか。
  • どのような情報が見たいかを教えてもらえるとありがたい。

  • Q6.Mashmatrixとデータローダーはどのように使い分けているか。
  • 商談後の数値など、大体はMashmatrixを使用している。
    組織に溜まっている情報を一気に入れるのはデータローダーを使用している。

  • Q7.Mashmatrixはどのタイミングで導入したか。
  • 途中から導入した。
    最初は標準の機能を使用していたが、その後柔軟に使用できるMashmatrixを使用するようになった。

  • Q8.既存業務をSalesforceに合わせて変えた部分はあるか。
  • 今まで実施していたことをSalesforceに置き換えた。

  • Q9.構築パートナーの選定はどのように行ったか。
  • Salesforce社に紹介してもらった。

  • Q10.スマホでSalesforceは使用しているか。
  • カレンダー等はスマホを活用している。
    チェックシート等は細かいのでPCで入力している人が多い。

    営業パフォーマンス向上のカギ 商談状況別に視点を変えてみる

    株式会社セイノー情報サービス 大嶽 孝太 氏

    会社概要

    西濃運輸株式会社のグループ会社
    西濃グループのIT事業(内販)、およびグループ外への物流ITソリューション・アウトソーシングの提供(外販)

    外販事業の特性

  • 購買サイクル:5~10年
  • 1商談あたり数千万円~数億円(1商談が1年以上かかることも珍しくない)
  • 営業の物流知識が高いため、商談後の勝率は高い
  • Salesforceの活用範囲

    <導入前>

    商談管理は他社のSFA(営業支援システム)

    売上管理や集計・分析はExcel

    <導入後>

    すべてSalesforceで管理

    現在のマネジメントサイクル

  • 月次:受注売上管理、売上予測(Mashmatrixを使用)
  • 週次:商談管理(MTG)
  • 都度:施策管理、KPI管理
  • 週次MTGについて

    これまでは営業が発表したいもの(=上手くいっているもの)だけを発表していた
    ⇒ 商談状況別に管理視点を変えて報告できる環境を作った

    商談管理ダッシュボード

  • 商談数
  •   状況別に全体感を把握

  • アポ取得
  •   商談初期の状況確認
      提案見込みの有無を早期に判断するため、アポ取得から3か月経過しているものは赤信号を表示

  • 提案検討中、提案中
  •   提案合意ができた商談の確認
      商談が予定通り進んでいるか確認する
      予定を過ぎているものは注意商談として一覧表示し、遅れている原因確認と対応協議を行う

  • 受注
  •   注月の確認
      頻繁に売上月を変更している商談は今月も変更される可能性が高いため、月ずれ1回で黄色、3回で赤信号を表示

  • 入力不備
  •   データ整備が必要なレコード

    なぜ運用に乗せられたか

    <入力精度>

  • 入力せざるを得ない売り上げなど経営に重要な情報、入力しないと個人のKPI評価にならない
  •   ⇒ 入力しないと次へ進めない、次回アクションを必ず入れる必要がある運用に

  • 商談を継続するか否か毎回決め、継続しないものは以下に回す
  •   今は見込みが無い → インサイドセールス
      今後も見込みがない → マーケティング

  • 入力不備はダッシュボードで表示する
  • <部門の壁>

    担当役員がPJに入り、担当者に展開することで解決
    (例)営業:今訪問予定はないが、リードを確保しておきたい
       インサイド:訪問しないリードは任せてほしい
       ⇒ 一旦インサイドが対応して、見込みが高くなったら元の営業に戻す運用に

    <運用改善>

    改善MTGを定期的に開催
    改善要望シートを作成し、記載のあったものについて実現するか否か話し合う

    Q&A

  • Q1.どのタイミングで商談作成しているか。
  • 個人情報が分かった段階で作成していて、商材や予算は分からない状態でも作成している。

  • Q2.入力不備に対する声掛けなどは実施しているか。
  • 事前に個人に対して不備があるデータを共有し、すぐ晒さない運用を行っている。

  • Q3.インサイドセールスでフォロー後、営業担当に戻す際にトラブルはあるか。
  • 今まであまり起こったことがない。

    対象の営業が手一杯の場合、相談して別の営業に担当してもらうこともある。

  • Q4.ダッシュボードの要件定義はどのように実施したのか。
  • Salesforceの営業と相談して作成し、担当役員にレビューし、改善していった。

  • Q5.売上数字以外に設けているKPIはあるか。
  • 商談数、アポ数、架電数などもKPIに入っている。

  • Q6.商談フェーズの4段階設定の経緯を教えて欲しい。
  • アポ取得を除き、旧SFAをそのまま踏襲した。

    これまでただの訪問は商談作成していなかったが、商談作成のためにアポ取得フェーズを追加した。

  • Q7.複数の商材管理方法はどのように行っているか。
  • 子オブジェクトで商材を管理している。

    営業全員が一律同じ商材を取り扱っている。

  • Q8.既存業務をSalesforceに合わせて変えた部分はあるか。
  • 営業フローは変えていない。

    Mashmatrixを使用するようになった。

  • Q9.構築パートナーの選定はどのように行ったか。
  • Salesforceに紹介してもらった。

  • Q10.スマホでSalesforceは使用しているか。
  • ほぼ使用していない。

    新機能紹介

    Winter'25新機能&Agentforce(自律型AI)概要紹介

    株式会社セールスフォース・ジャパン 伊藤 深雪 氏

    新機能

    ①Account Plans(アカウントプラン)
    既存の取引先との関係を育み、重要な取引先を戦略的に成長させられるだけでなく、取引先を調査分析し、目標とアクション可能なメトリクスを設定して、成長や発展を常に把握する。

    <機能概要>
    CRMに搭載された計画策定ツールで、取引先ベースの営業戦略の計画と実行

    <利用条件>
    Enterprise Edition以上で利用可能

    <対象者>
    大手顧客や足の長い案件、無形商材対象の営業スタイルや主要顧客へ戦略検討をしたい方

    <メリット>
    取引先ビジョンやアプローチ計画、優先度、課題、KPIなどを、雛形(=ノウハウ)に沿って記載するだけ!
    商談レコードからデータを参照して収益や商談成立率などを表示できる。
    Einstein for Salesを追加で導入すると、AIを使用して商談のサマリなどを作成可能。

    関係者とのコラボレーションを推進。
    リレーションマップで、その企業に所属している顧客の組織図を表示可能。
    今までその企業の誰にアプローチしてきたかを確認できる。

    中間目標を立て、KPIを立てて収益を最大化できる。

    ②Prospecting Center(プロスぺクティングセンター)
    適切な購入者のシグナルを使用してエンゲージする可能性が最も高い取引先を特定

    <機能概要>
    CRMと外部データをもとに優先順位付けを効率化。
    的確な見込み客を発見することができる。

    <利用条件>
    Sales Engagement
    Data Cloud

    <対象者>
    リードの数が多く効率的に有望な見込み客を絞りたいインサイドセールスや営業組織

    <メリット>
    CRMに加えて 3rd Party データをもとに精度の高いスコア付け + 理由の把握が可能。

    ワンクリックでケイデンスに追加することでスピーディーなフォローを実現。

    Engagementスコア・Intent(購買意欲)スコア・Fit(適合性)スコアを表示することでスコアが高い理由を把握できる。

    ③Sales Cloud Go
    [設定] の1つの場所から、保有しているエディションとライセンスで使用可能なすべてのSales Cloud機能を探索し、1回のクリックで機能を有効にできる便利機能。

    <機能概要>
    各種機能がテーマ別に集約。
    活用ナレッジ付きで、ワンクリックで有効化可能。

    <利用条件>
    Sales Cloud 全エディション

    <対象者>
    既にご利用中の方 or 活用に不安がある新しく利用される方

    <メリット>
    活用へのストレスを減らして製品機能をもれなく活用し、ビジネス効果創出が可能。
    歯車マーク > セールス設定 からアクセス可能。
     テーマに沿った機能、設定が完了している機能が一覧で表示される。
     どの機能をどれくらい使用しているか可視化できる。

    Agentforce for Sales

    <Sales Development>
    インサイドセールスのタスクを代わりに行う自律型AI

    (例)

    イベント参加者に対してお礼メールを自動で送信する。

    返信があればそれに対しさらに返信・アポ取得などを行う。

    アポが取得できたら営業担当に通知する。

    <Sales Coaching>

    営業担当者に対しコーチングを行う自律型AI

    例)

    商談のロールプレイングに付き合ってくれる。

    商談のブラッシュアップができる。

    今回は便利な新機能が3つとAgentforceについての紹介がありました。
    どれも要チェックな内容なのでこの機会に詳細確認してみてください!

    今後もユーザー分科会の内容を随時まとめていきますのでお楽しみに★

    Sharing InnovationsではSalesforceの運用支援を行っております。
    興味のある方はお問い合わせください。