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【Account Engagement】第47回 Account Engagement(旧Pardot)ユーザー分科会まとめ
2024年11月5日

- #Account Engagement
- #Salesforce
- #イベントレポート
本記事では、2024年10月17日に開催された第47回 Account Engagement(旧:Pardot)ユーザー分科会の内容をわかりやすくまとめています。 Account Engagementユーザ分科会に参加できなかった方やAccount Engagementの活用事例に興味がある方は必見です。
こんにちは、Sharing Innovations MAチームです!
今回は2024年10月17日に開催された第47回 Account Engagement(旧Pardot)ユーザー分科会に参加してきたので、その内容をまとめていこうと思います✨
ユーザー取り組み事例
新卒半年でマーケに配属になって、右往左往しながらコンバージョン倍増にたどり着いた話
(株式会社オプロ マーケティング部 阿部 陽佑 氏)
メール配信の初期課題
株式会社オプロ様では、マーケティングの初期段階で以下のような課題に直面していました。
①製品が多く、配信先に気を遣う必要がある
製品ごとにターゲット層が異なる(例えばSaaS向け、製造業向け、金融機関向けなど)ため、それぞれに最適なコンテンツを提供する必要があり、さらに使うプラットフォームもSalesforceやkintone、monday.comといった多様なツールへの対応も必要でした。
②新規コンテンツ投入後のコンバーション数が伸び悩む
毎月3〜4回のセミナーやイベント、ホワイトペーパーなどのコンテンツを作成し、コンバージョン数(CV)を伸ばそうとしました。
しかし、新しいコンテンツを投入しても思うようにダウンロード数が増えないという課題に直面しました。
Account Engagementを活用した2つの解決策でコンバーション率を改善
上記の課題を解決するために、Account Engagementで行った施策です。
①資料CV増加を狙ったメルマガ配信
メルマガ配信による資料CVの増加特定の製品をテーマにしたメルマガを全4回に分けて配信し、2回目以降、A/Bテストを活用して、件名やバナー画像の違いを検証しました。
A/Bテストから得られた情報
- 件名に顧客名を入れるのはあまり効果が無い
- 件名には企業名より具体的要素を入れた方が良い
- ファーストビューには一目で分かるバナーを挿入した方が良い
- メインCVへのCTAはなるべく上に配置した方が良い
- メール中盤~終盤にもう1枚画像を設置すると通読率が上がる
上記を踏まえメール配信を行ったところ、最終的に資料ダウンロード数が10倍に増加しました。
②セグメントを分けたセミナー集客メールの配信
1つのメールで2つのセミナーを同時に告知し、セミナーURLをクリックしたものの申し込みに至らなかったお客様に向けて、クリックしたセミナーのご案内メールを送る取り組みを実施しました。
また、セミナーURLをクリックしなかったお客様に向けても再度セミナーのご案内メールを送信しました。
結果として、2つセミナーのそれぞれで50名以上の集客に成功しました。
URLをクリックした方に繰り返しご案内したことで、当日の参加率向上し、普段は55%だった参加率が60%を超える結果になりました。
その他の気づき
Account Engagementを使ったマーケティングを進める中で、以下のような気づきもありました。
・セキュリティツールなどによる自動開封・自動クリックの影響に悩まされている
・配信先リストを絞らないとオプトアウト数が増えるが、リストを絞りすぎるのもよくない
⇒絞りすぎて資料DLに繋がらなかったことがある
・ダイナミックコンテンツの活用が大切
例:事例ページから流入するときに、各連携先に合わせて表示される記事が変わるように設定する
まとめ
最後にメルマガ配信とセミナー集客に関するまとめです。
メルマガ配信
- サイトリニューアルや資料公開のタイミングでのメルマガ配信は効果的
- 情報を小出しにすると継続的な流入が狙える
- ホワイトペーパー等の資料は定期的に配信し認知・CVを図る
- サービスのターゲット層が異なる場合はプロスペクトを分けて配信する ⇒配信用リストの整備が重要
セミナー集客
- 複数セミナーの集客を同時進行で行う場合、URLクリックや開封者のリストを作成・活用すると効果的
Account Engagement × Data Cloud の楽しみ方
(株式会社リバネスナレッジ 平塚 武 氏)
Data Cloudを使うと何が良いのか
Data Cloud とは、すべての顧客データを1つのプラットフォームに集約し、簡単にアクセスできるようにして、データの分断を解消する機能です。
あらゆるデータソースとシステムに対応しているため、データを有機的につなぐことができ、顧客一人ひとりの全体像を把握することに役立ちます。
Data Cloudの主な機能
Data Cloudの主要機能は以下の通りです。
・Connect
・Salesforce CRMなどのデータソースから、Data Cloudにデータを集約する
・Harmonize
・データソースでのデータモデルをData Cloudの汎用的なモデルに当てはめる
例:リードと取引先責任者を同じところで見られるようにする
・Unite
・システムごとに別の個人とされてしまったレコードを、ルールに基づいて統合する
・Activate
・セグメントを作成してMAや広告配信で活用したり、BI(ビジネスインテリジェンス)、LLM(大規模言語モデル)で活用したりする
AE × Data Cloudの可能性
Data Cloud は GUI(グラフィカルユーザインターフェース / 直感的で分かりやすい画面設計のこと)が特徴的な機能です。
そのため、慣れていない方でも簡単に操作することができ、Data Cloud で作成したセグメントは Account Engagement でも簡単に活用できます。
また、あらゆるデータを集約することができるため、「このシステムだと欲しいデータがどこにあるか分からない」といったことが無くなる点も魅力的です。
ユースケース
- AEのメール開封履歴を使用したセグメンテーションを行う
- スノーフレークを使用した、経産省が提供している企業のオープンデータ統合する
- オープンデータを自社の取引先データを組み合わせることで、提案に役立てられるように売上・決算時期の情報を付与する
Account Engagement機能セッション
オートメーションルール活用術3選
(toBeマーケティング株式会社 小井土 修也 氏)
オートメーション機能の分類
Account Engagement で設定できるオートメーション機能の種類です。
・オートメーションルール
→ 特定の条件で繰り返し実行したい場合に使用する
・活用例
・プロスペクトの項目更新をする
例:条件に合わせたフラグ付け/外しなど
・キャンペーン運用の自動化をする
例:キャンペーンメンバーの追加など
・繰り返しの条件適用をする
例:スコアリセットなど
・セグメンテーションルール
→ 単発で実行したい場合に使用する
・ページアクション
→ ページビューと連動したい場合に使用する
・ダイナミックリスト
→ 特定の条件でリストを更新し続ける場合に使用する
・Engagement Studio
→ 連続的なシナリオ実行をしたい場合に使用する
オートメーションルール活用術3選
上記のオートメーション機能を活用した設定例を3つご紹介します。
①アクティブプロスペクトになった日時の記録
プロスペクトがアクティブ化したときの日時をカスタム項目に記録します。
ユースケース
・どのタイミングで、どの施策からアクティブプロスペクトに繋がっているのかを可視化できる
・行動を把握するためにアクティブプロスペクトの比率を確認できる
設定方法
1.アクティブ日を記録するためのカスタム項目を作成
・種別:日付
2.オートメーションルールでアクティブ化した日時を項目に入力する
・ルール
プロスペクトの時間:数日前の最新アクティビティ:空でない
・アクション
プロスペクトのカスタム項目値変更:アクティブ日:Today
②1日に10回以上ページ閲覧したプロスペクトの抽出
1日に10回以上ページ閲覧したプロスペクトにタグを付与します。
ユースケース
・短期間に反応が高くなった顧客のリストアップ
・比較検討をしている顧客のリストアップ(ページの行き来が多い)
・問題を抱えている顧客のリストアップ(ログイン不可など)
設定方法
1.ページ閲覧日 / 閲覧スコアを記録するためのカスタム項目を作成
2.ページアクションの完了アクションで、ページ閲覧日 / 閲覧スコアを計測する
・完了アクション
プロスペクトのカスタム項目値変更:閲覧日:~Submission Date
プロスペクトの項目値を増加:閲覧スコア:+1
3.オートメーションルールで、1日に10回以上ページ閲覧したプロスペクトにタグを付与する
・繰り返しオプション:ON
・ルール
プロスペクトのカスタム項目>閲覧日>次の日数以内前>0
プロスペクトのカスタム項目>閲覧スコア>次の値より大きい>9
・アクション
タグを適用>1日に10回以上Webページを閲覧
自社に合わせたThe Model運用
デフォルトのライフサイクルフェーズ(ビジター→プロスペクト→MQL→SQL→Won)が自社の運用に沿わない場合、自社に合ったフェーズを定義し、そこに合わせた自動化を組みます。
※The Model:営業プロセスを分業することで、各部門の専門性・生産性を向上させる仕組み
ユースケース
・自社の運用に合わせたリードサイクルモデルの実現
・ターゲットの数の把握やリスト作成の手間の削減
設定方法
・ライフサイクルフェーズの定義をする
・リード遷移の詳細を定義する
・条件に合わせてオートメーションルールやダイナミックリストに置き換える
注意点
・仕組みはシンプルに
・オートメーションルールだけで実装したり、顧客フェーズに合わせてダイナミックリストを作成したり、一つのオートメーション機能で絞らないと管理が煩雑化する可能性がある
いかがでしたか?
ユーザー分科会では他社様の事例や活用方法の情報共有ができるため、とても刺激になりますよね。
2024年12月4日にも Account Engagement のユーザー分科会が開催されるので要チェックです🫵
それでは次回もお楽しみに!
Sharing Innovations では Account Engagement の運用支援を行っています。
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