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【Account Engagement】第48回 Account Engagement(旧Pardot)ユーザー分科会まとめ
2024年12月18日

- #Account Engagement
- #Salesforce
- #イベントレポート
本記事では、2024年12月4日に開催された第48回 Account Engagement(旧:Pardot)ユーザー分科会の内容をわかりやすくまとめています。 Account Engagementユーザ分科会に参加できなかった方やAccount Engagementの活用事例に興味がある方は必見です。
マーケと営業の「分断」を解消し成果を最大化 ~Account Engagementで実現する、Web広告から商談化までのシームレスな連携と効果測定について~
(ASUE株式会社 管理本部 池田 琴音 氏)
はじめに
<マーケティング部門と営業部門の分断とは?>
上記によって、以下のような課題が生じる
- 動きがばらばらで成果につながりにくい
- (例)マーケ部門だけでスコアやナーチャリングを設計
- (例)マーケ部門と営業部門でフェーズ定義がバラバラ
- 需要と共有が一致しない
- 前進しない
<解決に向けて>
マーケティングと営業が力を合わせることが大切
- マーケ部門:有効リードを増やすために営業からフィードバックをもらい反映
- 営業部門:受注につながりやすいリードについて共有
- →「なぜ」を一緒に考えて改善する
ASUE株式会社での取り組み
<会社概要>
マーケティング戦略から行うリスティング広告運用代行の正規代理店
450社以上の運用実績と一社に多くのリソースを使える体制が強みである
基幹システムは Salesforce を使用している
<MCAE導入プロジェクトの軌跡>
2019年:Account Engagement導入
導入から1年後、導入推進者が退職したことで後任に引き継ぎされた
→ 活用のためにさらに知識が必要
2021年:活用をリスタート
「営業とマーケの分断」により、スコア・ナーチャリング・フェーズ管理等を見直したが、浸透・定着には至らなかった
- マーケ部門だけでスコアやナーチャリングを設計
- → 営業の実態に伴う設計ではなかったため、数値への信頼度等がなかった
- マーケ部門と営業部門でフェーズ定義がバラバラ
- それぞれでリードを増やすための施策を検討
<改善に向けた3つの取り組み>
マーケ・セールスMTGを隔週でスタート
コミュニケーションを増やし、基本に立ち返って以下のような定義のすり合わせからやりなおした
コミュニケーションコスト削減のため Tableau 導入
毎週の役職者MTGで効果測定結果を報告
<リード育成の自動化と最適化>
営業とマーケの分断解消の取り組み以外にも以下を活用して、リード育成を推進した
ステップメール
フェーズ引き上げのきっかけづくりのため、温度感が低い顧客(商談に至っていない人など)に Engagement Studio のシナリオ配信
メルマガ
送信時間最適化(STO)活用により、平均開封率が1.6倍に向上
上記は拡張メールで使用できる機能だが、テキストメール作成に手間がかかる点が課題であるため、画面フローで作成サポート
メールコンテンツでのテキストメール作成時に、基本的な作業(リンク部分の体裁を整えるなど)を自動化できるようにした
キャンペーン
Engagement History のデータは分析に使用できないため、キャンペーンによって顧客の行動を可視化し、分析やマ―ケティング施策の改善に活用
キャンペーンごとに商談化率を確認し、各資料のブラッシュアップを行う
(例)ホワイトペーパーダウンロードの商談化率測定
商談化率が高いホワイトペーパーは、サイト側を改修することでダウンロード率を向上させる
商談化率が低いホワイトペーパーはホワイトペーパー自体を改修する
<今後の展望>
最後に
成果を最大化するためには、「マーケ」と「営業」両方の力が必要
「なぜ」を一緒に考えて改善することで前進する
条件付き完了アクションの活用
(株式会社サンブリッジ 宮本 弘 氏)
完了アクションとは
<概要>
メールやフォーム、ファイルなどの施策のアセットに対してプロスペクトがアクセスした際に実行するアクションを設定する自動化処理機能
<利用頻度が高い設定例>
自動返信
フォーム通過時にメールを自動送信する
キャンペーンに追加
プロスペクトをSalesforceキャンペーンメンバーとして追加し、メンバーの状況を更新する
(例)顧客が資料DLしたら、資料DLキャンペーンで状況を「資料DL」に変更する
アポイント対象のプロスペクトを可視化できるようにする
(例)顧客がメールリンクをクリックしたら、キャンペーンの状況を「メールリンククリック」変更する
誰がエンゲージしたのかをSalesforce上でも確認できるようにする
リストに追加
Engagement Studio のシナリオ配信対象となるプロスペクトをリストに追加する
キューに割り当て
フォーム通過後のプロスペクトを一旦キューに割り当てて Salesforce 側にデータ連携する
プロスペクトカスタム項目値を変更
問い合わせ日時を記録する
問い合わせがあった商材の種別を記録する
Slackチャンネルを通知
お問い合わせ対応用の Slack チャンネルに通知する
メール通知は定型フォーマットだが、Slack の場合は通知メッセージのカスタマイズが可能(差し込み項目が使用可能)
条件付き完了アクションとは
<概要>
Summer’22リリースから提供されるようになった完了アクションの拡張機能
<利用頻度が高い設定例>
条件による項目値の変更
リードソース項目が空の場合のみ、フォーム登録時にリードソース項目を更新する
条件によるキューの割り当て
顧客の所在地に合わせてエリアごとの営業キューに割り当てる
パラメーターを利用した流入元を条件にしたアクションの実行
共催セミナーの流入元をキャンペーンメンバーの状況に記録する
自社の案内でセミナー認知したか、パートナーの案内でセミナー認知したかによって施策を分けることが可能
項目やリストの条件によるメール送信
お問い合わせフォームのしつこい営業によるノイズを減らすのに役立つ
しつこい営業をスタティックリストにまとめ、しつこい営業にはフォーム通過時にお断りのメールを自動配信
上記リストに入っていない方にはお礼メールを自動配信
項目の条件によるキャンペーン追加
1つのフォームで異なる商材のキャンペーンに追加
★活用のポイント★
デフォルト項目、カスタム項目、パラメータ、リストを活用して条件の振り分けを行うと◎
<制限事項>
以下は特に注意が必要な制限事項である
まとめ
コンテンツマーケティングへの原点回帰 ~顧客の状態にあわせた階段別ナーチャリングと可視化 & ダイナミックコンテンツでフォームの壁を撤去する~
(株式会社リンコム 土屋 敏彦 氏)
今日から始めるリードナーチャリング
<今後の予備軍となるハウスリストへのナーチャリング設計>
階段設計:コンテクスト(脈絡)が重要
脈絡のない、やみくもな発信はNG
たいていは受け取ってもらえず、繰り返せば繰り返すほどリスト内の顧客の温度感が下がる
(例)興味のないメールが延々と届く、いきなり製品説明をするメールを送る、とにかくアポ電話 など
運用しやすいよう、階段設計の仕組みを構築する
「方法論→仕組化→実行」の流れが重要
各ステージ(認知、興味、理解 …etc)とその状態、その時の顧客のアクティビティについて定義する
ステージの自動判定
Account Engagement の合計スコアでは、広く浅くコンテンツを見ている人も、狭く深く興味を持っている人も同じようなスコアが出るため、ステージ判定に活用することは難しい
各ステージのスコアを定量化できるよう、それぞれのステージごとにカテゴリ分けしてスコア化する
ステージ別スコアがそれぞれ0より大きかったらステージを進める
<ナーチャリング運用>
階段ごとのゴールを設定
例
→ 課題解決記事
→ 事例紹介、事例動画
→ ホワイトペーパー、紹介動画
→ 現場シーン別活用提案
ステージ別に訴求コンテンツと行動を割り当てる
例
訴求コンテンツ:課題解決記事
顧客の行動:メールをクリックして記事を閲覧
ステージ別に訴求コンテンツと行動を割り当てる
例
訴求コンテンツ:課題解決記事
顧客の行動:メールをクリックして記事を閲覧
Engagement Studio プログラムをリレー方式で実行
タグを入れて複数のシナリオが同時実行されないよう対策し、必要に応じて待機を設定してフリーケンシ―調整をする
(例)実行タグを付与 → 待機 → シナリオ実行 → タグ削除
1ROLL:動画をどのくらいまで見ているか把握可能な動画マーケティングツール
Engagement Studio のシナリオ構成
Salesforce レポートによるシナリオ実行分析
キャンペーンメンバーの状況から、顧客のアクションを可視化する
コンテンツマーケティングへの原点回帰
<商談のステージアップが停滞した原因>
インバウンドが足りないためアウトバウンドで補充しようとした
お客様の興味関心度が低い状態のため、インサイドセールスで属人化した
<BDR(アウトバウンド)と SDR(インバウンド)>
BDR の特徴
SDR の特徴
BDR と SDR の使い分けが必要
<コンテンツマーケティングは改めて大事にしよう>
お客様に有益な情報提供することに本気で取り組む
有益なコンテンツを投げかけ、機が熟すまで待つ
機が熟す前から積極的なアプローチを行う
<ダイナミックコンテンツとフォームの組み合わせ>
なるべく自由にコンテンツを見てほしいが、初めての方のフォームコンバージョンもしてほしいときに、ダイナミックコンテンツとフォームを活用した工夫を行う
設定例
新規顧客向けのコンテンツ
既存顧客向けのコンテンツ
フォームではなくボタンのみ表示させる設定
ボタンにカスタムリダイレクトを設置し、完了アクションをさらに設定することでより効率的なアプローチが可能
競合他社向けのコンテンツ
アプローチ対象ではないためCVポイントを設けないようにする
パネルディスカッション
Q1. 送信時間最適化(STO)はどのように活用したら効果的か
慣れが必要なため、自動返信メールのみ Lightning に切り替えるなど、少しずつ導入して慣れていくと良い
テキストメールの作成が従来のメールより手間であるため、画面フローでフォローするといった方法もある
A/Bテストができない点に注意が必要
Q2. 送信時間最適化(STO)を使うとき、メールを送信する期間はどのくらいに設定しているか
A社:8~20時
B社:8~21時
C社:24時間
D社:24時間
E社:48時間
Q3. メール開封率向上のために行っている工夫はあるか
誰が見ても分かるような件名にする(専門用語を使わない)
メルマガのタイトル案をAIに5つ作ってもらって組み合わせる方法もある
Q4. Tableau 導入のコツはあるか
Q5. 取引先責任者から商談を作る習慣がない場合、主キャンペーンソース登録をどのように促せばよいか
商談画面から新規作成する場合、主キャンペーンソースは手動入力が必要なため以下のような方法で対応する
必要最小限の運用ルールを設定し、それに従って作成する習慣をつけてもらう
必須で入力してもらうようマニュアルに記載する
(設定例)
フローによって、一定の商談フェーズに達すると取引先責任者の役割を必ず入れるように入力規則を設ける
取引先責任者の役割で紐づいた顧客の一番最新のキャンペーンが主キャンペーンになるように設計する
Q6. Einstein のデータ駆動型モデルを有効化することで既存のキャンペーンに自動的に変更が加わるのか
いかがでしたか?
他社様で行っている施策や工夫を知ることで、より Account Engagement 活用のイメージが広がりますよね!
今回で Account Engagement ユーザー分科会としては最終回になりますが、今後も Salesforce Marketer Group(ユーザーコミュニティ)で事例紹介や交流があるようなので、ご興味のある方はぜひ参加してみてくださいね💫
Sharing Innovations では Account Engagement の運用支援を行っています。
興味のある方はお問い合わせください。