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【Account Engagement】第1回Account Engagement(旧Pardot) User Community まとめ
2025年3月18日

- #Account Engagement
- #Salesforce
- #イベントレポート
本記事では、2025年3月5日に開催されたAccount Engagement(旧Pardot)ユーザーコミュニティの内容をわかりやすくまとめています。 第1回Account Engagementユーザーコミュニティに参加ができなかった方や、Account Engagementの活用事例に興味がある方は必見です。
<目次>
成果に繋げる!Account Engagementシナリオ集 ~最新機能も活用した仮説シナリオを考える~
(toBeマーケティング株式会社 代表取締役CEO 小池 智和 様)
マーケティングにおけるデータ活用の重要性
データの重要性
以下のような進化を遂げたように、マーケティングにおけるデータの重要性は高まっている
「デジタルマーケティング」 → 「データマーケティング」
「マーケティングオートメーション」 → 「データマーケティングオペレーション」
なぜAccount Engagementを使うのか、なぜマーケティングにデータが必要なのか
1. ROIの向上と市場競争力の強化
データによって、顧客のパーソナライズの理解が進み、デジタルツールによって最適なコミュニケーションを実現
2. 顧客ロイヤルティの向上
LTVの最大化に必要な仕組みやデータ構造を構築
3. データドリブン経営の実現
顧客データ/基幹データなどを駆使し本質を捉えた経営を実現
マーケティングのためのデータ活用
多様なデータソースが必要
CRMデータやリストのみの状態ではデータ活用したマーケティングは不可能
POS、Web行動、インタラクションといった外部データもデータソースとして必要になっている
分散したデータの紐づけには顧客統合プラットフォーム(CDP)が重要
Salesforce Data Cloudにあらゆるデータを繋ぎ、AIエージェント等を括用したマーケティングを行うことが望ましい
上記を行うことで初めてデータの活用が可能になる
顧客インサイトの分析を行い、自動的に高度なパーソナライゼーションを行うことができる
これからはデータ活用が差別化の鍵に
<ジャストインタイムのコミュニケーションによる成果創出>
Data CloudやAIなど、技術革新の有効活用
MAツールの高度な利用
データ分析から有効な顧客インサイトを発見
<マーケターはやりたくてもできない状態>
マーケターは少数精鋭の組織であることが多く、人手やノウハウ不足に陥りがち
⇒少ない人数で効果的にパーソナライズして有効なコンテンツを届けることが大切
MA(マーケティングオートメーション)の活用
MA導入のステップ
<1. 現在の実施施策をMAで設定・実行する>
現在のWebサイトにトラッキングタグを設置
LP/フォームをMAで作成
メルマガ配信をMAで実施
Cookieが紐づき、顧客のWeb行動を把握できる
Webフォーム通過者情報が自動的にMA/SFAに入る
<2. SFAと情報連携し営業にトスアップする>
SFA画面にMA情報を表示
Webアクセスや重要コンテンツの閲覧時にインサイドセールスや営業にトスアップ
営業商談にMA施策の貢献を紐づけ
マーケティング施策の営業商談への貢献が可視化できる
マーケティング活動と営業活動が有効的に連動され、営業効果が高まる
<3. 顧客のWeb行動や顧客の属性情報に基づき顧客のニーズに沿ったコンテンツ・情報を提供する>
顧客のWebサイトの閲覧コンテンツや関心があるカテゴリーを把握し、
それによって更に顧客ニーズに沿った情報を提供(ダイナミックコンテンツ/シナリオ配信)
顧客ニーズに沿った情報提供やコミュニケーションを自動化によってタイムリーに実施し、
顧客体験の向上と営業効果を高める
<4. 顧客情報をさらに集約しAIを活用してよりパーソナライズされたマーケティングコミュニケーションを実行する>
顧客のWeb行動/営業活動情報/基幹システムデータなど様々な顧客の情報を集約し、AI活用の顧客情報基盤を構築
基盤の情報を活かし、よりパーソナライズされた情報を提供
AIを活用することで、よりパーソナライズされたタイミングやコンテンツを提供できる
パーソナライズによって、顧客体験の向上と営業効果を高める
導入・活用できそうなアイテム
CDP(Data Cloud)
MA(Account Engagement)
各顧客がメールを開きやすい時間に合わせてメール配信される機能
使用により、送信から開封までの時間が短縮され、8割が4時間以内にメールに反応した
今年2月から日本語にも対応
各顧客へのメール送信頻度を自動調整する機能
送信しすぎると自動で除外リストに入るような挙動となる
その他
toBeマーケティング社での取り組み
マーケティングAIの活用機能
※toBeマーケティング自身で検証・実践をしている活用機能
<Data Cloud>
<Account Engagement>
<Tableau>
シナリオのリバイズ対応中
現在、定番シナリオ20選を Data Cloud や外部アクションの活用等も踏まえたものにリバイズ中
(シナリオ例)
まとめ
- まずはAccount Engagementを使いこなすことは大事だが、Account Engagementを使いこなすことを目的にしない
- 今後のマーケティング施策における成果の創出はデータベースの構築と活用が重要になる
- データベースの構築をすることでAI機能が活きてくる。AIも含めよりデータを活用したシナリオのリバイズが必要
このリードはいくらの売上を産むのか?』を極限までデータ化した先に生まれた、マーケティング成果指標のすべて
(株式会社hacomonoマーケティング部、インサイドセールス部 マネジャー 入江 康平 様 /マーケティング部 川勝 拓也 様)
hacomono社のデジマの歴史
フェーズ1:ホットリード数(~2023年2月)
<内部環境(自社)>
デジマ立ち上げも専門人材不在だったが、経験・スキルのある社員が入社
月予算を半年で4倍にする拡大期
IS(インサイドセールス)もFS(フィールドセールス)の人員も急増
<外部環境(マーケット)>
コロナ禍による無人型店舗の開業特需
<リードの量的拡大で事業成長を牽引>
KPIを”ホットリード数”として運用(Web経由の資料DL、問い合わせ数)
フェーズ2:推定商談数(2023年2月~2024年4月)
<内部環境(自社)>
ホットリードにコミットした結果、商談化率の低いホワイトペーパーリードが増加
マーケは達成するが、ISの商談数は未達
でも、さらに投資額を2倍に増やして、事業成長は加速させたい
<外部環境(マーケット)>
開業特需終息への足音
<リードの量的拡大で事業成長を牽引>
KPIを”推定商談数”として運用
フェーズ3:期待MRR(2024年4月~)
<内部環境(自社)>
推定商談数、CPA改善の頭打ち
新プロダクトのリリース延期
とはいえ、受注目標は上がっていく
<外部環境(マーケット)>
開業特需終息
資金調達環境の変化加速
<量的拡大の難易度UP>
経営としても拡大と筋肉質化の両立がテーマに
<質をあげて受注インパクトを最大化させることで事業成長を牽引>
KPIとして”期待MRR”を開発
新指標 期待MRRの深堀り
期待MRR導入によって実現したいこと
量拡大と質向上の両立 × 仕組みへの落とし込み
→ 実務担当が自発的かつ強度高くPDCAを回せる状態
期待MRRの考え方
<リード期待MRR=リードから獲得できた受注MRR/リード数>
※MRR=SaaSにおける月額利用料
コンセプトは“受注インパクトの最大化”
セグメントごとに、1リードあたりの受注価値を過去実績から算出し、その積み上げ額をKPIとして最大化を目指す
(例)デジマで100リード獲得、商談化率40%、受注率25%、ARPU10万(MRRの単価)の場合
<期待MRR算出における仮説>
期待MRR算出時の数式における変数ごとに有効そうな分析の軸は以下の通り
ARPU=1ユーザーあたりの平均売上を示す指標
期待MRR算出・4つのステップ
<1. 分析対象とするデータ期間を決める>
受注リードタイムを加味する
<2.分析軸ごとに商談化率、受注率、ARPUを分析し、その軸の有効性を確認する>
適切な粒度にする(例えば、業種は詳細を使うのかorカテゴライズしたものを使うのか、など)
有効でない軸があれば捨てる
逆に、新しい発見がある場合も(例えば、媒体別に受注率にも違いがあるなど)
<3.有効な分析軸を掛け合わせ、セグメントごとのリード期待MRRを算出する>
かけ合わせでの適切な粒度を作る(セグメントごとのn数担保、実運用でのフィジビリティの視点で)
<4.感覚値も含め手心を加え、セグメントごとのリード期待MRRを確定させる>
n数が足りないセグメントは他セグメントの数字を参考に進める
内的要因の考慮(FSの状況による受注率変動、今後の営業方針の加味など)
外的要因の考慮(特需があって受注率やARPUが上振れている場合など)
戦略的な意思決定(例えば、規模が大きいリードへのインセンティブ実数以上に強めたいなど)
期待MRRをKPIとした取り組み結果
分析結果:リード期待MRRテーブル
PMF(業種区分を3つにカテゴライズ)とターゲット優先度(展開店舗数や開業時期目安の区分を4つにカテゴライズ)ごとに、リスティングやオーガニック、Metaのそれぞれの期待MRRを計測する
期待MRRを伸ばすために行った打ち手は以下2つ
打ち手① Metaからリスティング一般検索への予算アロケーション
打ち手② CV値による広告運用最適化
結果
数値の推移
→ 打ち手② CV値最適化運用 はワークしなかったが、打ち手① 予算アロケ が大いに効き、実際の受注金額も拡大することに成功
まとめ
期待MRRによる効果
- 過去の受注分析から、受注MRRをデジマのKPIに組み込むことが可能
- 新たなKPIの採用により、新たなアクションが浮かび上がる可能性がある
- 新たなアクションにより、KGIへのインパクトを拡大できる可能性がある
運用する中での難しさ
- 期待MRRと実受注の乖離への対応
変数が多いため、月単位で見るとKPIとKGIにずれが発生しやすい
要因分析や修正に工数が割かれ、本質的な改善活動が停滞する事態が発生 - ISとの連携
ISにも「商談期待MRR」を導入し、マーケとIS一貫して受注インパクトにフォーカスすることができた
マーケ,ISを一人のマネージャーが統括しているため主導しやすかったが、そうでない場合は部署連携が必要 - 万能なわけではない
事業目標があがっていく中、質だけの改善で対応できないフェーズが近いところで来る
FSの人数も増えるため、量的拡大への期待も高まる
hacomono社での期待MRR導入後の動き
- 内部環境(自社)
遅延していたプロダクトがリリース
これまでFSの人員も急増 - ☆ ハイブリッド型の導入
メンバーのKPIは"推定商談数"
マネジメントのKPIは"期待MRR"
<事業状況に合わせて最適なKPIを立てることが重要>
(例)事業の特性:低単価×受注多 の場合
<br?
質の改善:期待MRR
⇕ :推定商談数
量の改善:ホットリード数
メンバーには質を追い求めすぎないようにしてもらうため、メンバーのKPIは推定商談数にし、マネージャーのKPIを期待MRRにするといった組み合わせも◎
パネルディスカッション
toBeマーケティング社への質問
Q1.シナリオが増えてきたときに各顧客の体験が管理しづらいと感じているが、どのような工夫があるか
Q2.送信時間最適化によって開封率がどの程度向上するか
Q3.デジタルマーケティングからデータマーケティングになると伺ったが扱うべきデータとしておすすめはあるか
⇒Data Cloud や MAPlus を使用すれば、ひとつひとつのアクションが構造化され使いやすくなる
Q4.Account Engagement を活用していくうちにシナリオ数や A/B テストは固定化されていくのか
⇒メール経由での商談化率が上がった
⇒ISとの連携でToDoを発行したりしている
Q5.Account Engagement導入時点では何をしたら良いか
hacomono社への質問
Q1.期待MRRのテーブルの定期的な見直しは行っているか
⇒過去実績からMRR算出すると目標達成ができない
⇒部署や目標に合わせてチューニングする必要がある
Q2.推定商談数から期待MRRに変えたことで現場のアクションはどのように変わったか
⇒ファーストビューを良くしたり、サイト回遊しやすくしたりといった工夫を行った
Q3.マーケティングとセールス連携について課題や対策はあるか
⇒売上インパクトを最大化したいという目標をマーケティングも共有していることを伝える
⇒定量的な数値で伝える
Q4.現在、KPIとしてリード数も意識しているのか
Q5.営業や上司からは商談数やCPAなど分かりやすい数値を求められるがそのようなことはなかったか
いかがでしたか?
他社様で行っている施策や工夫を知ることで、自社のマーケティング施策にも活かしていきたいですね!
今後も Salesforce Marketer Group(ユーザーコミュニティ)で事例紹介や交流があるようなので、ご興味のある方はぜひ参加してみてくださいね💫
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